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<事案の概要> アメリカ合衆国国籍を有し現にハワイに在住する被告人が来日し、居住していた神戸市灘区において新規の外国人登録の申請をした際、外国人登録原票、登録証明書及び指紋原紙二葉に指紋の押なつをしなかったため、外国人登録法の所定条項に該当するとして起訴された事案。 <論点> □13条のアプローチ→(1)〜(4)→立法目的の合理性と「公共の福祉」による制約あり □外国人の人権享有主体性→「文言説」VS「性質説」(マクリーン事件) □14条のアプローチ→(5)で否定→実質説 □19条のアプローチ→(1)で否定→指紋の特質 なお、外国人登録法に関しては、下記記事も参照のこと。 http://sawasawa-kum.at.webry.info/200703/article_1.html <判旨> (1)指紋は、指先の紋様であり、それ自体では個人の表生活や人格、思想、信条、良心等個人の内心に関する情報となるものではないが、性質上万人不同性、終生不変性をもつので、採取された指紋の利用方法次第では個人の私生活あるいはプライバシーが侵害される危険性がある。このような意味で、指紋の押なつ制度は、国民の私生活上の自由と密接な関連をもつものと考えられる。 (2)憲法13条は、国民の私生活上の自由が国家権力の行使に対して保護されるべきことを規定していると解されるので、個人の私生活上の自由の一つとして、何人もみだりに指紋の押なつを強制されない自由を有するものというべきであり、国家機関が正当な理由もなく指紋の押なつを強制することは、同条の趣旨に反して許されず、また、右の自由の保障は我が国に在留する外国人にも等しく及ぶと解される。しかしながら、右の自由も、国家権力の行使に対して無制限に保護されるものではなく、公共の福祉のため必要がある場合には相当の制限を受けることは、憲法13条に定められているところである。 (3)外国人登録法が定める在留外国人についての指紋押なつ制度は、昭和27年に外国人登録法(同年法律第一二五号)が立法された際に、同法1条の「本邦に在留する外国人の登録を実施することによって外国人の居住関係及び身分関係を明確ならしめ、もって在留外国人の公正な管理に資する」という目的を達成するため、戸籍制度のない外国人の人物特定につき最も確実な制度として制定されたもので、その立法目的には十分な合理性があり、かつ、必要性も肯定できるものである。 (4)このような指紋押なつ制度を定めた外国人登録法14条1項、181項8号が憲法13条に違反するものでないことは当裁判所の判例の趣旨に徴し明らかであり、所論は理由がない。 (5)指紋押なつ制度を定めた外国人登録法の前記各条項は外国人を日本人と同一の取扱いをしない点で憲法14条に違反すると主張する。しかしながら、在留外国人を対象とする指紋押なつ制度は、前記一のような目的、必要性、相当性が認められ、戸籍制度のない外国人については、日本人とは社会的事実関係上の差異があって、その取扱いの差異には合理的根拠があるので、外国人登録法の同条項が憲法14条に違反するものでないことは、当裁判所の判例の趣旨に徴し明らかである。 (澤田章仁) |
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| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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補足: |
澤田章仁 2006/12/26 15:09 |
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