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今回のテーマ:見えない憲法第1条/競争制限的社会秩序(同著55頁) 【解読レジュメ】 日本社会は戦後も一貫して、自由競争の経済モデルを採ってこなかった。すなわち、 日本の経済秩序は、 社会公平や正義の実現といった特定の価値観をかぶせられた 経済秩序=社会経済秩序 であるということが、「見えない憲法」の第1条 に書いてある。 ↓ 分配と再分配の未分離モデル すなわち、自由競争を放任し、後に累進課税や生活保護などの方法で所得を再分配するのではなく、自由競争のプロセスそのものを既得権保護のために歪めるというのが、わが国の経済政策の特徴である。 ↓ ちなみに、自由の国アメリカでも福祉がないわけではない。 ただし、その手法は、自由競争によって億万長者を輩出させ、彼ら彼女らから支払われる税金を貧者に再分配するという手法をとる。 ↓ つまり、分配と再分配は、プロセスとして明確に区別されている。 【澤田コメント】 日本国憲法は、営業の自由(22条)や財産権保障(29条)を定め、かつ判例・通説は29条は資本主義経済を制度的に保障したものと解している。 したがって、日本国憲法の下での経済システムは、「自由市場という経済モデル」を想定したものと思われる。 しかし、棟居教授は、現実は異なると指摘するのである。 棟居教授は、自由市場という経済モデルについて、 @ 国家は小さな政府に徹し、 A 自由競争のルールを見だす悪徳商法を排除し、 B 独占や不公正な取引を規制し、 C その他の技術的な取引のルールを規定し、 D 参加者に以上を遵守させ、 国家は、これ以上のことをする必要がない、と整理する。 要するに、経済政策の場面では、夜警国家に徹すべきことが、日本国憲法の基本的スタンスであるということであろう。 「見えない憲法」第1条は、そういった日本国憲法の価値を否定し、いわば「社会政策」的見地から、公権力によって自由競争を制限することを保障するものである。 また、この第1条が役人の強い味方となって、官主導の強力な経済規制が許容されているのが、現実の日本社会である、という結論でしめてよさそうである。 澤田章仁 ************************************** |
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